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月別アーカイブ: 2025年4月

鈴木建業のよもやま話~庭園の広がりについて~

皆さんこんにちは!
株式会社鈴木建業、更新担当の中西です。

 

~庭園の広がりについて~

ということで、外構工事の現場から見た庭園デザインの多様性と、それを支える設計思想や背景を深く掘り下げていきます♪

 

暮らしを映す庭のかたちとその背景を深掘りする

住宅の外構工事において、「庭」という空間の役割は、今や単なる景観や装飾を超えた価値を持ち始めています。
かつての庭園は「見て楽しむ」ことが主であり、日本庭園や洋風ガーデンなど、その様式に大きな枠が存在していました。しかし現代では、住まい方や家族構成、趣味、気候、敷地条件など、あらゆる要素が絡み合い、“庭は一つとして同じものがない”という時代を迎えています。


庭園=「余白」から「機能空間」へと変わる役割

かつて庭とは、家の“余白”として設けられる静的な空間でした。しかし、現代の外構において庭は、以下のような積極的な役割を持ち始めています。

  • 子どもの遊び場

  • 家族や友人とのアウトドア空間

  • ガーデニングや家庭菜園の場

  • ペットとのふれあいスペース

  • テレワークの合間に心を整える場

  • 雨水を浸透させるエコスペース(透水舗装・ビオトープ)

つまり現代の庭は、「住む人の暮らし方そのもの」を反映しながら形成される、“生きた外部空間”へと進化しているのです。


外構における庭園デザインの主なスタイルとその多様性

以下では、近年特に多く見られる庭園デザインのスタイルを、目的や構成要素ごとに分類して紹介します。

1. ナチュラルガーデン(自然派庭園)

植物の自然な配置や素材感を大切にし、四季折々の草花が自由に咲き乱れる庭。人工的な構造物を最小限にし、自然との共生を感じられる空間です。

  • 主な特徴:雑木、下草、ウッドチップ、石畳など

  • 利点:手入れも自然に任せることで「育てる庭」になる

  • 向いている方:ガーデニングが趣味の人、小さな森のような空間が好きな人

2. モダンガーデン(都会的・直線的)

コンクリート・タイル・ガラスなどを使い、シャープでシンプルなデザインを基調とした庭。建物のデザインと統一感をもたせることで、洗練された住空間全体の印象を高めます。

  • 主な特徴:直線構成、モノトーン色調、低木・シンボルツリー

  • 利点:維持管理がしやすく、視覚的にすっきりと整う

  • 向いている方:デザイン性を重視したい方、共働きで手入れに時間をかけられない方

3. 和モダン・ジャパニーズガーデン

伝統的な日本庭園の要素を取り入れつつ、現代的な住宅に調和させた設計。石・砂・木・水といった素材を組み合わせることで、内省的な空気感と美的バランスが魅力です。

  • 主な特徴:飛び石、苔、竹垣、石灯籠、枯山水

  • 利点:日常の中に“静けさ”と“季節の移ろい”を取り込める

  • 向いている方:日本文化・和の美意識が好きな方

4. ファミリーガーデン・多機能型庭園

家族の用途に応じて複数の機能をもたせた実用的な庭。BBQスペースや遊具、物干し場、ペット用スペースなどを敷地内で機能的に区分します。

  • 主な特徴:ウッドデッキ、人工芝、オーニング、囲い

  • 利点:生活空間の延長として日常的に活用できる

  • 向いている方:小さな子どもやペットがいる家庭

5. エコ・ローメンテナンスガーデン

手入れの手間を抑えつつ、自然への負荷も少なく抑えた庭。雨水利用や在来植物の活用、照明のLED化など、環境配慮型の設計が特徴です。

  • 主な特徴:透水性舗装、ドライガーデン、砂利敷き、常緑樹中心

  • 利点:維持費が抑えられ、環境負荷が小さい

  • 向いている方:自然との共生を意識する方、忙しい人


庭園デザインの多様性を支える技術と視点

庭の多様化を支えているのは、単なる装飾力ではなく、施工技術・環境知識・空間構成力といった総合的な設計力です。

設計・施工に求められる専門性

  • 植栽の生育環境(陽当たり・風通し・水はけ)への配慮

  • 素材(石、木、土)の経年変化への理解

  • 隣地境界・建築基準法・景観条例への対応

  • 動線と視線のデザイン(出入り・眺め・隠し方)

  • 維持管理性と安全性(特に小さな子どもや高齢者がいる家庭)

現代の外構業者や造園家は、単なる職人ではなく、「空間を生み出すクリエイター」としての役割を果たしています。


庭は“余白”ではなく“暮らしの核”へ

庭は、静かにそこにあるだけで、住まいに安心感を与え、人の感性や生活に寄り添い続けます。

そして現代の庭園は、ますます多様に、個性的に、「住む人の想いをかたちにする空間」として進化しています。
それは、設計者や職人たちの知恵と技術があってこそ生まれるもの。

だからこそ外構工事において、「庭をどうつくるか」は、「どう暮らすか」を考えることと、深くつながっているのです。

 

 

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鈴木建業のよもやま話~技術力によるデザインの多様性について~

皆さんこんにちは!
株式会社鈴木建業、更新担当の中西です。

 

~技術力によるデザインの多様性について~

ということで、外構工事における技術力の違いが、どのようにデザインの幅を広げ、住まいの表情を変えるのかを、深く掘り下げてご紹介します♪

 

家の印象は、建物そのもの以上に「外構(がいこう)」で決まることがあります。門扉、アプローチ、駐車スペース、植栽、塀こうした“外の空間”は、暮らす人を迎え、街の風景を形づくり、住まい全体の価値を高める要素です。

その外構デザインにおいて、「職人の技術力」の違いが仕上がりの質や多様性に大きな影響を与えることをご存じでしょうか?


外構工事とは何か?──暮らしと街をつなぐ“境界のデザイン”

外構工事とは、住宅や建物の敷地まわりの構造物や空間を整備する工事です。主に以下のような要素を含みます。

  • 門扉・門柱

  • アプローチ(玄関までの動線)

  • 駐車スペース(カーポート)

  • フェンス・塀・目隠し

  • 庭・植栽・ウッドデッキ

  • テラス・タイル・照明・水景など

こうした空間の設計・施工において、単に「作る」だけでなく、素材の選定、形状の仕上げ、勾配の調整、水はけの設計、安全性・利便性の確保など、職人の技術力が問われます。


技術力の違いが生む“デザインの奥行き”

同じ図面、同じ素材を使ったとしても、施工する人の経験と技術によって、完成する空間の質は大きく変わります。

1. 素材の扱い方の熟練度

外構には、天然石・レンガ・木材・モルタル・タイル・コンクリートなど、さまざまな素材が使われます。これらは加工性・耐候性・施工方法がそれぞれ異なり、仕上がりの美しさに職人の差が出やすい部分です。

  • 天然石の不均一な形をバランス良く敷き詰める

  • 木材の反りや割れを計算した組み立て

  • モルタル左官の滑らかな表面処理

  • タイル張りの目地幅の整合性

これらは細部へのこだわりと施工精度によって、同じ材料でも「作品のような外構」となるかどうかが決まります。


2. デザイン提案力の違い

技術力とは「施工力」だけではありません。「空間全体をどう構成するか」「生活動線や視線の抜け、光と影をどう設計するか」といった提案段階のセンスと知識もまた、技術の一部です。

  • 高低差を活かした立体的な構成

  • 目隠しフェンスの高さと透過性のバランス

  • アプローチの緩やかな傾斜と滑りにくい素材選び

  • 夜間の照明計画による演出効果

これらは経験豊富な外構設計者でなければ実現が難しく、技術力の差がそのまま「デザインの幅」につながります。


3. 雨・勾配・水はけ処理の技術

見た目の美しさだけでなく、水の処理や傾斜の設計も重要な要素です。

  • 雨水を建物側に流さず、敷地内で排水するための勾配調整

  • インターロッキングの下に透水層を設ける技術

  • 雨が跳ねにくいステップや、滑りにくい石材選び

こうした見えない部分の施工がしっかりしていないと、数年で雨水による劣化や不具合が発生します。


4. 経年変化を見越した設計

熟練した外構職人・設計者は、「完成直後の美しさ」だけでなく、5年後、10年後の風合いを見越して設計・素材選びを行います。

  • 植栽の成長による日陰の変化

  • 木材の色合いの変化とメンテナンス性

  • 金属部材の経年による風合いの活かし方

  • 汚れやコケがつきにくい舗装材の選定

これらは、単に工事を終わらせるのではなく、「住む人と共に育つ外構」を創造する視点がなければできない領域です。


デザイン多様性を支える要素

技術力の高い外構業者や職人は、限られた敷地・予算・素材の中で多彩なデザインを実現する柔軟性を持っています。

デザインの多様性を生む要素

  • 組み合わせの引き出し(和・洋・モダン・ナチュラルなど)

  • 地域性や気候に合わせた素材と構成

  • 住む人のライフスタイルや趣味に寄り添った設計

  • メンテナンスのしやすさとデザインの融合

つまり、外構における“デザインの多様性”とは、見た目の派手さではなく、「暮らし方を美しく支える多様性」であり、それを実現できるかどうかは、技術力にかかっています。


外構は“家の顔”であり“暮らしの舞台”

外構工事は、単なるエクステリアの設置ではなく、暮らしの質と価値を高めるための空間づくりです。

どれだけ良い建物でも、外構が整っていなければその魅力は半減します。逆に、外構が美しく機能的であれば、家の印象も暮らしの心地よさも大きく向上します。

そして、その「質」は、施工する職人の見えない技術と知恵の積み重ねによって支えられているのです。

 

 

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